⑧ 巴里の5日間

うちの家内は結構長風呂なので、夜の11時過ぎではあったが、寝る

前の吸い溜めとばかりに「ちょっと外で一服してくるわ~・・・。」と伝え

て、夜の街に散歩に出かけた。  比較的パブリック・スペースでもタ

バコが吸えるパリではあるが、さすがにホテル内はすべて禁煙である。

ホテルを出るとなんとなく雨が降りそうな怪しい雰囲気ではあったが、

フード付きのいつものコートを羽織っていたので、タバコに火をつけて

歩き始めた。  用心のためにポケットにはタバコとデジカメ、そして財

布は部屋に置いて50ユーロだけ入れてきた。 右岸の繁華街ではあ

るが、昼間と人通りが途絶えた夜とではまた雰囲気が違う。 歩き始

めて5分程すると直ぐに霧雨が降り出してきたが、フードを被りのんび

とカプシーヌ通りをオペラ座方面に歩いてみる。 昼間は日本でも知

たブランド店もある通りなのだが、夜になるとその店先にはホームレ

が毛布に包まって何人も座り込んでいる。 実はそんな写真も撮りた

ったのだが肖像権の問題もあるし、いちゃもんでも付けられたらつま

ないので止めといた・・・。(笑)  目的は寝しなの一服だし・・・。

下の写真はその散歩の時に撮ったものを幾つかピックアップして載せ

てみたが、小さな店でも服飾関係はウインドディスプレイが上手いな~

と思う・・・。 昼間では何気なく通りすぎてしまう様な店だが、電気が灯

夜の方が見栄えがする。 古いマンションの玄関扉にしても、ヌー

からデコに掛けての装飾性が見られてすばらしい・・・。  パリと

云う街は探せばいたる所に100年前が残っている。 オペラ座まで出

て帰りは一通でちょっと寂しいオーベル通り、トロンシェ通りを通って宿

に戻ってきた。 ・・・時計は既に12時を回っていたと思う。

 残念ながら古いプジョーの黄色いフェートンは迎えには来てくれなかっ

たが・・・。(笑)