「覆水盆に返らず。」とは夫婦、男女間の破局の時によく使われる故事の比喩だが、
今回は「・・・破鏡、再び照らさず。」の壊れてしまった古いガラスの話だ・・。
このご時世、窓ガラスが割れたり茶碗が割れたりすれば、ガラス屋さんに直しても
らうか、茶碗だったら捨てるのが当たり前だ。形あるものはいつか壊れ消えていく。
私が作ったおもちゃも、時間と共に劣化していき、長い時間の間にはやがてゴミと
なり消え去る運命にある。 ・・・当然、人間だって同じで、ましてや保存状態さ
え良ければ ”物” の方がはるかに寿命は長いだろう。 ・・・しかし、それだとて、
永遠などはありえないし、恒久さえもまず無理だろう。 ・・・わずか数十年、良
くて数百年残すことが出来れば御の字だ・・・。 人の心はうつろいやすいもので、
好いて結婚した夫婦でも、数十年も一緒に生活すれば、形骸化してくる事も多い。
一生ものと云うふれ込みで、清水舞台から飛び降りるつもりで大枚はたいて買った
車でさえも、時間の経過とともにもっと魅力的な車に目移りし、いつかは手離す事
となる。 長い時間軸で見れば10億以上のフェラーリもいずれ消えてなくなる。
結局人間は、”今をどう感じ”、”どう生きるか” と云う事に集約される・・・。
今回もゴミになってしまうであろう ”物” に、今しばらく時間を与えて楽しむ事
が出来るか?と云う話だ。 前置きが長くなったが、早い話が、素人が上手く修復
出来るかどうか? と云う話でもある・・・。(笑)
とりあえずガラス専用の紫外線硬化型接着剤を用いてずれない様に単純接着する。
その後、ガラスの欠損部位に模型で使うプラリペアーを流し込み大体の形をペー
パーで削り出す。 その後は僅かな表面のガラスの欠損部に調合したクリア入り
の塗料を流し込み、再度削っての繰り返し・・・。 また、色合わせを含めて塗
料が ”乾燥硬化したら削る” を何回か繰り返して様子を見ている。 コグレの
Eタイプは既に完成しているのだがちょっと食傷気味で、こちらの方に夜の時間
を割いてしまっていたので、写真を未だに撮っていない。
・・・週末にでも時間を見つけて写真を撮ろう。
模型作りの間を見ての作業なので、やはりまだ1か月以上はかかりそうだ・・・。