④ 1/24 Kogure ’64 Ferrari 250 GTO

桜の季節が再びやって来た。 日に日に暖かくなるのを体感できる季節にもなってきた。 そして、春分の日を含む2連休もお墓参りなどで瞬く間に過ぎてしまった・・・。 ・・・時の流れを本当に速く感じる!

コグレのジャンカーであったGTOも昨晩遅くどうにか2台とも形になり、先ほどまでいろいろなアングルで写真を撮っていたのだが、年々製作が下手になるのを実感させられる・・・。   やはりジャンクの修復には欠品パーツの製作や代替えが効きそうなパーツを探し出したりしなければならないので、どうしても手間が掛かってしまう。 ・・・そうこうしているうちに再びクラックを入れてしまったり傷を付けてしまうことも多い。 

25番のルマンカーはボディーサイドが半分ほど欠損していたボディーだが、とりあえず手持ちのジャンクパーツなどを利用しながらシリーズⅡのGTOの形にどうにかなってくれた。 フロントスクリーンのサッシからはみ出した圧着時のボディーのバリは仕方なく黒の塗装を塗ってごまかしてある。  ただ、手持ちのデカルでは出来なかったイネス・アイルランドのヘルメットのチェッカー模様のデカルは、友人にお願いして作って頂いた物である。  

現状ではタイヤは古いコグレのF1用の物が前後に付けてあるだけで、走行時には合いそうなウレタンタイヤに変えなければならない。  シャーシーもモーターマウントを自製しているしポストも無かったので、RMクラフトのポストに変え普通の古いマイナス・ビスで留めている。

下のGTOはフロントスクリーンが割れて無くなっていた車で、サッシも欠けていたので新たにプラ板(棒)で製作し直している。 スクリーンはバキューム物なのだが、製作したサッシの下部に隙間が少し出来てしまっている。 また2台ともライトカバーを透明レジンでの製作を試みたのだが、レジンに気泡が残ってしまい、あえなく失敗に終わったので急遽バキュームに切り替えたものを付けている。 

・・・こちらの車は出来るだけコグレのパーツ(レジンを含む)を使い改造は欠品の代替品以外は使用していないので、コグレのGTOの元々のボディー形状が良く判ると思う。 (本来であればライトには麦球が入るのだが、これも手持ちの通常のライトパーツに変えてある。) 

シャーシーのフロント部分の軸受けのガタは隙間にプラバンを挟み対処しているが、シャーシーすべてには手が回っていないのでモーターは私の手元に来た時のFT16のままである。 元来このキットのフロントにはGT用の細いホイルとタイヤが付いているが、リアのホイルとタイヤはコグレのF1用のリアがそのまま使われている。 コグレのキットのボディーへのマウントは、殆どのキットがタッピング・ビスである。

2台の車重が大分違うのだが・・・、殆どがモーターの違いと自作のブラスマウントによるものではないかと思っている。

③ 1/24 Kogure ’64 Ferrari 250 GTO

タイトルはコグレの’64のフェラーリGTOになってはいるのだが、作業がここの所、幾つかの失敗やラグビーのTV観戦などが災いして遅れてしまっている。  今回UPしたのは私が知っている1/24の’64GTOの3台のボディーなのだが・・・、実はこの記事は10年ほど前にブログにUPしようと思って、既に画素数が少ないデジカメで過去に何枚かの写真は残していた。 しかし流石に10年の歳月は安いデジカメの写真の画質にも表れる様で、昨晩遅くアオシマのモーターライズ・キットとK&Bのボディーキットを改めて引っ張り出して写真を撮りなおし比べてみた。

これは今回製作しているコグレのボディーが、一般的にはK&Bのボディーの”パクリ”であると云う説のささやかな反証になるのではないかと思っている・・・。 通常「パクリ」と云う言葉は、盗作や偽造品等、あまり良い意味では使われないことが多い。(終戦直後や高度成長期の日本では、既に多くの産業分野でこの「パクリ」が行われていたことも事実なのだが・・・。)

下の写真は左からK&B, コグレ、アオシマの順でボディーの裏面を撮ったものである。  発売が一番早いのがK&Bである。 流石にボディーの形状や金型の表面処理の精巧さなどでは、K&Bは他の2台と見比べるとバリも少なく、表面のプラスティックにも光沢が有り、群を抜いた良い出来である。 ・・・ただ当時としては画期的なクリアパーツ(スクリーン等)の圧着一体形成が、半世紀以上の時間の経過とともに、スクリーン上の細かなヒビの出現になっているのは、製作上で二の足を踏ませる事になっているのも事実だ。

上の小さな写真は3台のGTOを色々な角度から撮影したものなのだが、コグレのGTOは成形色が白と云う膨張色なので、幾分大きく見えるかもしれない。 K&Bのボディーについてはここでは触れないが、アオシマのボディーは金型の切り方は多少違うが、ほぼK&Bのボディーを原型としてそのままコピーした様に思える。 ただ、K&Bよりは金型の処理は荒く、またモーターライズの形で発売されてはいたのだが、ご覧の様にポストの数が多く、コグレを始めとして幾つかのスロットカーのシャーシーを取り付けられる様になっている。

そろそろコグレのGTOのボディーの幾つかの相違点について気が付いた事を書いてみようかと思うのだが・・・、まず第一の相違点はボディーのトレッドの違いである。 コグレのGTOは他の2台より4mm程トレッドが広いのだ! また先の写真でもお判り頂けたかどうかは判らないが、ボディーの厚みがK&Bから比べれば大分薄く成形されているのである。 しかし、今回は写真を掲載しなかったが、K&Bとコグレのボディーシェルのみの重さを計量してみたのだがほぼ同じであったので、トレッドを広げた分の関係か・・・?、それほど軽量化されたとは云えない状況であることも判った・・・。  フロントライトはキットでは珍しい麦球ライトの使用により、走行時にライトの点灯が可能な様になっている。

これは内装と外装の違いを示した写真なのだが、コグレの内装はK&Bの内装を真似してはいるのだが、FT36系の大きい缶モーターが搭載可能になったセカンド・バージョンのシャーシーを搭載できる様にコックピット中央部にタミヤの内装の様なバルジ(モーターの逃げ)が形成されている。 またこのバルジの為にドライバーが隅に追いやられ、ドライバーを載せた状態でボディーに指示道理にはめ込むと、ドライバーヘッドがサイドウインドウに当たり幾分首を傾げた搭乗姿勢になってしまう。 コグレの内装には別物パーツのダッシュボードとハーフのハンドルも用意されている。

ボディー表面で目を引くのは、フロントサイドの3本のエアーインテークが抜けていて見てくれは良いのだが・・・、ボディーが薄い分だけ強度的には問題を残したかもしれない。 後は前後のホイルアーチの位置と形が微妙に違い、リアのコーダトロンカのパネルも一体形成で、フロント周りも大分違う。 特にサイドのフラッシャーランプは形が小さすぎるし、フロント下部両側の小さなスコープも省略されているので、スケール感重視の方には多少の工作が必要になるかもしれない。 

これも細かい事だが、ドアハンドルもK&Bのものとは形状が異なり、ドアやウインドウ周りのサッシ類も大分太めになっていてスケール感を多少なりともスポイルしている。  ・・・以上の事から、K&Bと同じ様なスクリーンの圧着も行っているボディーでは有るが、K&Bのボディーの良さを生かしてコグレが独自に薄型ボディーの金型を起こした、アイデンティティー溢れるボディーの様に私には思えてならない!

このボディーの薄さが経年変化により、すぐにクラックを作ってしまうと云う製作上の問題にぶつかりながら、どうにか修復を進めているのが現状である・・・。(苦笑)