終わらない夏・・・

既に10月も半ば近くになっているのに、いまだに30℃近い日が時々ある。 ・・・やはり異常気象なのだろうか?!  一時的な気候変動ならば良いのだが、これが恒久的なものになるのは人類には脅威だ。  そんな暑かった今夏はおもちゃ作りも進まず、おまけにコロナ禍で外出を控えた分だけ、涼しい部屋で本を読んでいることが多かった・・・。  今年の夏はミステリーに限らず、タイトルの面白そうな古本を何冊か読んでみたのだが、恋愛小説の様な内容の物もあり・・・、思ったほど楽しめなかったものもある。   

長い事外出できない時には、自分の淀み沈滞した意識を外の世界(空想の世界)に飛ばすことも一時的なストレス解消になる。 ・・・文庫が多いのだが、自室の本棚には既に置き場が無くなりかけている。(本にビニール袋をかけているのは喫煙の為にすぐにヤニで黄ばんでしまう為で、広告などが入って来たビニール袋などを利用している・・・。笑)

また個人的な意見なのだが・・・、本のカバーにも最近は漫画風の物が多くなっている。 私自身は比較的保守的な装丁本が好きなのでどうしても本の外観から面白い本を見逃しているかもしれない。 どちらにしてもお茶と喫煙をしながら、深夜に静かに読むことが多いので読む時はカバーは取ってしまって持ちやすくしている。 本屋にもここ数年行っていないし、ましてや神田などの古本屋街を歩くのは好きなのだが、ここ数十年、足を向けてない。(古本より駐車代金の方が高いのだ!)

そんな中で本とは全く関係ないのだが、村上春樹氏が翻訳した本の装丁の何冊かに面白い興味を引く絵が見受けられたのでちょっと調べてみたら、20世紀初頭のアメリカ人画家 ”EDWARD  HOPPER” のものであった。  私が知らない画家でもあり、久しぶりに一番安い画集を1冊買ってみた。  ・・・以下がそのホッパーの画集に含まれていた絵の何枚かである。

絵画やイラストレーションと云うものは、作家の少年期からの人生や美に対する好みと云うものが比較的作品に出やすいものだと思うのだが、作家の人生の出来事でも大きく作風が変わることもあるかもしれない。 また、意識的に作風を模索(変更)する作家もいるだろう。 

私がこのホッパーの画集を初めて見た時の印象は、「映画の絵コンテ」「これから起こるであろう事件」「孤独で日々をたんたんと生きる人々」 また一部の絵にはステファン・キングのキャッスルロックの様な架空の町の「悲劇の予感」の様なものを感じた。 全く普通の絵でありながら、時間の止まった人気のない暗いバックなどには、ポール・デルヴォーに似たようなアメリカン・シュールレアリズムのモダンアートの雰囲気を感じた。

古い絵画ではあるが、まさに現代のCOVID-19で外出できない不安な時代を象徴している絵画の様な気がする・・・。(苦笑)