オランジュリーから雨の中をコンコルド橋を渡り、左岸のオルセー美術館に向かう。
・・・良くパリでは、セーヌ川を挟んで右岸、左岸などと大きくパリを2分する表現
を使う事が多い。 東京にも山の手とか下町などと云う言葉が存在するが、その言葉
の中には、その地域に生活する人々、文化、街並み等を大雑把に表現している事が多
い。 たまたまジベルニー観光の時のバスのガイドさんが云っていたのだが、政治で
云う右と左で、右岸には昔からの保守的な人種が多く、左岸には左翼とは云わないが
リベラルな人達が比較的多く住んで居るとの事だった・・・。 ”左岸で学んで右岸
で(お金を)使う” などと云う言葉がフランスには有る様なので、それからもある
程度の違いを判断できるかとも思う。
オルセー美術館は、昔は駅舎であったことは皆さんご存知の通りだが入り口付近の犀
の彫像には目を引かれた。 また入り口の庇も古いパリをイメージさせて素敵だ。
日本でもあるフレンチ・レストランで、これと同じ様な庇を目にしたことを思いだす。
しかしこの庇、まったくフラットか、または幾分跳ね上がりぎみに見えるので、大雨
の時などは内側に樋があるのかな~?などとつまらない事を考えながら右隅から入館
した。
すでに昼食時間も大分過ぎお腹も空いていたので、まずは腹ごしらえとフロントでマ
ップだけ貰って食堂に向かった。 すでにランチ・タイムを過ぎていたので、仕方な
く1品料理(ゆず風味のパテとサラダ)とコーヒーを注文(フランスパンはどこでも
付いてくる)するが、料理は冷たくて旨くなかった・・。 周りのお客さんのテーブ
ルも見回してみたが、皆さん似たような食事を取っていて、隣の席のアメリカ人か?
も、ぶつくさ云いながらフランスパンとコーヒーで食事を済ませた様だった。(笑)
食事の写真も撮ろうかとも思ったが、席も近いので他のお客さんの顰蹙も考え、天井
画だけ何枚か撮って早々にお目当ての絵を観に席を立った・・・。
オルセーは入り口を入ると直ぐに昔の吹き抜けのホームなので、真ん中はガラス天井
まで大きく抜けていて、その吹き抜けの大空間の左右にこじんまりした展示室が並ぶ
作りになっている。まずは5階の印象派の展示室に向かい、そこから観たい絵画のあ
る展示室へと上から下へ降りてくるようにして観て回った・・・。
5階の印象派の展示室はさすがに充実していて見ごたえがあったが、そこの展示室の
壁紙がダーク・トーンなので、ちょっと日本の美術館とは趣が違い、何か個人住宅か
カフェで絵を見ている様は錯覚を覚える。 またそこにあったモダンなベンチが日本
人デザイナーの物である事を初めて知り、ちょっと誇らしい気持ちになったり、驚い
たり・・。 若い観光客の方達はやはりスマホでパチパチ写真を撮っていたが、私に
は残念だがその勇気がなかった・・・。
一通り、お目当ての絵を見終わった頃には雨も上がり、オルセーからセーヌ川を挟ん
で遠くにモンマルトルの丘が見渡せた・・・。 さてと・・・、時間も5時をちょ
っと廻っていたし、対岸にはルーブルが鎮座しているが、こちらも大分歩き疲れてき
た・・・。
とりあえずオルセー美術館を後にして、目の前のセーヌ河岸で一服!!