子供の頃は毎年12月は冬休みが有るし、休みになれば直ぐにクリスマスだし、・・・
サンタのプレゼントに飽きるころには正月がまたやって来る。 ・・・思い返せば一番
楽しい時期だったかもしれない。 子供の頃はあんなに大人に憧れていたのに、それが
どうだろう・・・? この歳になるとただ慌ただしいだけで、余計な外出や散財が増え
るだけだ。 受験勉強はもうたくさんだが、のんびりコタツに足を延ばしてみかんでも
剥きながら、買ってきたプラモデルを広げて ”どう作ろうか?” などといろいろ思い
を巡らせるなどと云う素朴な光景は、もう夢になってしまったのか・・・?!(笑)
幌以外は古いおもちゃなので簡単に行くだろうと考えていたが、これがどうしてどうし
て欠品パーツばかりでなかなか進まない。 キットには入っていないレンズ類を取り付
けてみたり、ステアリングを左から右に変えるだけでも結構時間を要している。 大人
になると、余計な知識が純粋な模型作りの邪魔になることが多い・・・。 御大層な模
型を作っている訳ではないのだが、やはりあの少年時代の感動はよみがえらないな~。
[コグレの付録]
古い資料によると、マブチモーター(TKK)は1963年より北米向けにスロットカー用のFT16やFT36等のモーターを輸出している。 しかし、当時のマブチモーターは輸出向けのモーターの製造で手一杯で、日本国内の各モデルメーカーへの要求になかなか対応出来なかった様だ。 当時のある有名老舗メーカーの供給依頼にも答えきれずに、そのメーカーは急遽外国製のモーター仕様で対応したなどと云う話も以前耳にしている。
1965年初頭より日本国内で爆発的に流行したスロットカーレーシング(モデルカー・レーシング)の初代コグレのGT御三家は、コルヴェット・スティングレイ、フォード・ムスタング、メルセデス300SLであった。 その後2台のブラス・パンシャーシーのフォーミュラーが発売される・・・。 #601 コルベット・スティングレイ #602 フォード・ムスタング #603 ロータス・フォード #604 フェラーリ158F1 #605 メルセデ300SL #606 トヨタ・スポーツ・・・へと続いて行く。 私が当時、友人のO君が初めて買ってもらったと云うコグレのスティングレイを目にしたのは、1965年の寒い時期であったので、3月前後の事だっただろうと思う・・・。 その車には確かにFT16が付いていたのを覚えている。 「かっちょい~・・。」・・・当時の少年たちの合言葉だった。 ちなみに今回制作したジャガーのE タイプは、#608に当たる。 初期のコグレのGT御三家には確実に初期版のキットが存在する。(もしかしたら?、初期のコルベットのキットは、一部地域では1964年の年末には発売されていたかもしれない?。)
初期版のFT16のキットは#605のメルセデス・ベンツ300SLの様なパッケージングで、各々のパーツが透明ビニールのパックに詰められ販売されていた。 当然コルベットやムスタングも発売初期には同じような包装で販売されていたのだが、最近ではこの初期物のキットはメルセデスを除いて殆ど見かけなくなった・・・。 1965年の夏の終わり頃には、既にFT36用に対応したシャーシーが入った新しいキットが、ブリスター・パック包装も新たに発売されている。 ・・・現在見かけるキットはこのタイプの物が殆どだ。 #606のトヨタ・スポーツにはFT-16限定シャーシーの新しいブリスター・パックのキットが存在するが、その後のFT36が搭載出来るシャーシーが入った新しいキットが発売されていたのかどうかは確認が取れていない。 1965年のうちに全てのコグレのキットが発売されたのだが、箱絵にあるベレットGTは発売されなかった。 また、初期のFT16用のシャーシーは一部ホーム・サーキット用に使われたと云う話を聞いた事が有るが、ホーム・サーキット用の車にはワンピースのアルミ・パンシャーシーが別に存在する。 #607のホンダS600にも、後にボディーの型割を変更したボディーが存在するらしいが、私はスロットにおけるこのホンダのボディーの変更も未だ確認していない・・・。
もしかしたら・・・、第一期のモデルカー・レーシングは、私が人生で初めて経験したバブルとその崩壊であったかもしれない。(笑)